2013年度 宗教法学会・秋季学会シンポジュウム
※学術大会は盛況のうち無事終了いたしました。
戦後の宗教制度・宗務行政は宗教団体のあり方にどのような影響を与えたか
シンポジュウム概要
大正2年に内務省の宗教局を廃して文部省に宗教局が設置されてから、平成25年で百周年を迎える。
その後、宗教制度に関して、「宗教団体法」(1940)、「国家神道、神社神道に対する政府の保証、支援、保全、監督並に弘布の廃止に関する件」(1945)、「宗教法人令」(1945)、「宗教法人法」(1951)、「宗教法人法改正」(1996)の成立を見た。
法律は制定後、行政により運用されるが、実際の運用をめぐっては、担当課である宗務課や宗教法人審議会での決定が、宗教法人のあり方に大きな影響力を持っている。事実、昭和31年の佼成会事件による清瀬大臣の「宗教法人法における認証、認証の取り消し等の制度の改善方策について諮問」に対する答申や、宗教法人法改正時の経緯を想起すれば、この点は十分に理解されるものである。
また、宗教法人と宗務行政との深い関わりについては、戦後GHQが宗務課を廃止しようとした際に、宗教界の希望により存続が可能となった事実をとっても、両者の間に密接な関わり、もしくは日本の宗教団体の特徴を見て取ることができる。
シンポジュウムでは、当時の宗務行政の担当者を交えて、単なる制度論ではなく、これまで論じられることのなかった宗務行政の果たした役割、功罪について、議論する。
日時 平成25年11月9日 10:00~17:00
場所 國學院大學 常磐松ホール
アクセスマップ 國學院大學渋谷キャンパス 常磐松ホール
<研究発表>
10:00~10:30 はじめに:趣旨説明(石井)
10:30~11:15
文化行政における宗務行政の位置づけ 根木昭・昭和音楽大学教授:元課長
11:15~12:00
沖縄返還に伴う宗教団体の法的位置と宗務行政 中野毅・創価大学教授
12:00~13:30 昼休み
13:30~14:00 総会
14:00~14:45
墓地の公益性をめぐる省庁間の相違について 村上興匡・大正大学教授:元専門職員
14:45~15:30
情報公開をめぐる宗教法人と行政 石井研士・國學院大學教授:元専門職員
15:30~15:45 休憩
15:45~17:00(75分)
<パネルディスカッション:宗教法人と宗務行政の微妙な関係>(仮)
大家重夫(久留米大学名誉教授・元宗務課長)
大石 眞(京都大学教授・元宗教法人審議会会長)
河野 訓(皇學館大学教授・元専門職員)
司会:石井研士(國學院大學教授・元専門職員)